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お天気豆知識(2025年01月21日(火))

海はなぜ凍りにくいか
海はなぜ凍りにくいか

1月下旬となり、各地とも厳しい寒さとなっています。湖や池では表面が凍りついている所があったり、滝が凍りついている所もあります。また、あまり雪の降らない地域でも、雨の降った翌朝には水たまりにうっすら氷が張っているのを見たこともあるでしょう。
一方で、海が凍っているのを目にした方は少ないのではないでしょうか。実際、海は湖や川と比べると凍りにくく、その大きな理由は、波や海流といった「流れ」があるためです。
また、海は地球の表面の7割を占める広さ、それに深さがあるため、熱しにくく冷めにくい特徴があり、なかなか凍らないのです。
さらに、ふつうの水は0度で凍りますが、海水は塩分を含んでいるため氷点下1.3度まで冷えないと凍り始めないことも関係していると考えられます。
こうした理由以外にも、湖などの淡水と海水とでは温度が下がった時にそれぞれ違う性質を見せてくれます。

水温が4度以下になると
水温が4度以下になると

温度が下がった時、塩分が含まれている海水は、淡水とすこし違った様子を見せます。
ふつうは湖でも海でも、冷たい方が下、温かい方が上に移動します。これは、お風呂に入ったときに表面は熱く感じても湯船につかると意外にちょうどいいお湯加減だったりするのと同じ現象です。
ところが、水温が4度を境に湖などの淡水の場合は、温度の低い部分が下ではなく上になるのです。温度の低い表面の部分は空気によってさらに気温が低くなり凍り始めます。
一方、海水の場合は4度以下になっても変化することはなく、温度の低い部分が下にあるので、海の表面が冷やされても、それが海の底へもぐりこんでしまうため、なかなか凍りません。なぜ4度以下になると淡水と海水でちがった動きをするのでしょうか。
一般に、暖かいものは軽く、冷たいものは重くなる性質がありますが、淡水の場合、厳密には4度の時が一番重くなり、0度に近いほど軽くなります。しかし、海水は4度よりも氷点下の海水の方が重たいため、冷たい部分は表面には現れず、空気に冷やされることはありません。
このため北極海や南氷洋など猛烈な寒さが長い時間続く海域以外では凍った海を目にすることはほとんどないのです。

過去のお天気豆知識

寒さの尺度・12025年02月05日(水)
雪像2025年02月04日(火)
フィギュアスケートのジャンプ2025年02月03日(月)
立春2025年02月02日(日)
節分・12025年02月01日(土)
雪崩が発生しやすい条件2025年01月31日(金)

各地の天気

お天気豆知識

寒さの尺度・1

寒さの尺度・1

暦の上では春になったとはいえ、まだまだ厳しい寒さが続いていて、西日本や東日本でも氷点下の寒さになることがあります。水が凍りはじめる0度以下の世界では、さまざまな現象が起こります。たとえば、マイナス4度以下の寒さでは水道管が凍結し、さらには破裂したりして私たちの生活に影響を与えます。強い寒気が来た時は、九州の平野部でもこの温度まで下がることがあります。マイナス6度では、空気中の水蒸気が、窓の表面で凍る「窓霜」という現象が見られるようになります。また、サイダーなどの炭酸飲料水が凍るのもこの温度です。さらに温度が下がってマイナス10度を下回ると、凍りにくいアルコールが含まれているビールでも凍り始め、マイナス13度以下ではぶどう酒、マイナス14度以下では清酒も凍ります。マイナス15度以下の世界では、夜間、凍結のために家が音を立てる「家鳴り(やなり)」が起こることもあります。また、早朝などには「ダイヤモンドダスト」という現象が見られるようになります。これは、大気中の水蒸気が凍って氷の結晶となり、日光に照らされて光る現象です。北海道の旭川市などでは、真冬のよく晴れた朝に現れることがあります。

雪像

雪像

2月に入ると、北海道の札幌市では、冬の一大イベント「雪まつり」が行われます。今年(2025年)は、2月4日から2月11日までの8日間にわたって開催されます。有名人やアニメのキャラクター、歴史的建造物などが、雪を固めることによって本物のように再現され、毎年、大勢の観光客でにぎわいます。たくさんの雪を必要とする雪像は、冬の厳しい寒さがあるからこそできる北国の芸術作品といえるでしょう。たくさんの雪からは、まるで粘土のように自由自在に形をつくり出すことができますが、いつも簡単に雪像が作られるわけではありません。雪祭り期間中に厳しい寒さが続いた年は、雪はさらさらでなかなか固まらず、雪像をつくるのに非常に苦労したそうです。逆に期間中に暖かな陽気が続いて、せっかく作った雪像がとけて崩れてしまう年もあったようです。寒すぎても暖かすぎても、雪像作りにはあまり適していないのです。

フィギュアスケートのジャンプ

フィギュアスケートのジャンプ

氷上を優雅に滑り、その美しさと完成度を競うスポーツといえば、ご存じ「フィギュアスケート」です。華麗なスピンやジャンプに魅了された方も多いことでしょう。フィギュアスケートの選手達はどうして高く跳ぶことができるのでしょう。それは氷の上を速い速度で滑っていることが関係しています。陸上競技のハイジャンプなど、上に跳びたい時は助走をつけますが、これはフィギュアスケートについても同じことが言えます。助走による横方向の力を縦方向の力に換えるのです。このように助走の力をもとにしてジャンプするため、助走のスピードを上げれば高く跳ぶことができるのです。ただし、どれだけ助走による横方向の力を無駄なく、縦方向の力に換えられるかが、ジャンプの高さに大きく影響してきます。ジャンプは単に筋力だけでなく、選手の技術の見せ所でもあるといえるでしょう。