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お天気豆知識(2025年01月17日(金))

樹氷(じゅひょう)
樹氷(じゅひょう)

スキーやスノーボード、それに冬山登山などで雪山に入った時、白い衣装をまとった木々の姿を見かけることがあります。
枝についた雪のようなものをよく見てみると、同じ方向にエビの尻尾のようにのびています。これは「樹氷(じゅひょう)」とよばれるものです。
樹氷は、最初は木にくっついてできた、白くもろい氷ですが、やがて雪がくっついて発達していきます。
最初にできる氷は、湿った空気が木にぶつかった摩擦で一気に凍りついたものです。氷の上には雪がつきやすいため、雪が降っていれば樹氷に執と雪がついて、風上側にどんどん発達します。
樹氷ができやすい気象条件としては、気温は氷点下5度以下くらいまで下がっていること、それに風速は1メートルから5メートル程度であることです。風がこれより強いと真っ白ではなく、どちらかというと祖氷(そひょう)と呼ばれる透明な氷となってしまいます。

モンスター
モンスター

発達を続ける樹氷は、やがてその原型が木であったことを忘れさせるほどに発達します。その姿は怪物の群のようで「モンスター」または「アイスモンスター」とよばれます。もともとが木だけに、背が高い文字通りの「氷の怪物」は吹雪の後には、その不思議な姿に多くの人々が気づきます。
このモンスターがみられることで有名なのは山形県の蔵王や青森県の八甲田山などで、こちらは冬の季節風にのって冷たく湿った空気が流れ込むため樹氷が成長するには絶好の条件となっています。
またモンスターになる木は、トドマツなど真冬でも葉がある針葉樹です。冬のはじめに、針葉樹にエビの尻尾のような樹氷がまずできて、その後、樹木全体が雪と氷に覆われて雪だるまのようなモンスターになります。冬の間、モンスターは太り続けますが、やがて春が来て、暖かな日差しにその姿を奪われるのです。
2月など最も成長した時期のモンスターは悠然とした姿で、自然の力を人々に見せつけているようです。
樹氷の見頃はこれから。是非一度足を運んでみてはいかがでしょう。

過去のお天気豆知識

寒さの尺度・12025年02月05日(水)
雪像2025年02月04日(火)
フィギュアスケートのジャンプ2025年02月03日(月)
立春2025年02月02日(日)
節分・12025年02月01日(土)
雪崩が発生しやすい条件2025年01月31日(金)

各地の天気

お天気豆知識

寒さの尺度・1

寒さの尺度・1

暦の上では春になったとはいえ、まだまだ厳しい寒さが続いていて、西日本や東日本でも氷点下の寒さになることがあります。水が凍りはじめる0度以下の世界では、さまざまな現象が起こります。たとえば、マイナス4度以下の寒さでは水道管が凍結し、さらには破裂したりして私たちの生活に影響を与えます。強い寒気が来た時は、九州の平野部でもこの温度まで下がることがあります。マイナス6度では、空気中の水蒸気が、窓の表面で凍る「窓霜」という現象が見られるようになります。また、サイダーなどの炭酸飲料水が凍るのもこの温度です。さらに温度が下がってマイナス10度を下回ると、凍りにくいアルコールが含まれているビールでも凍り始め、マイナス13度以下ではぶどう酒、マイナス14度以下では清酒も凍ります。マイナス15度以下の世界では、夜間、凍結のために家が音を立てる「家鳴り(やなり)」が起こることもあります。また、早朝などには「ダイヤモンドダスト」という現象が見られるようになります。これは、大気中の水蒸気が凍って氷の結晶となり、日光に照らされて光る現象です。北海道の旭川市などでは、真冬のよく晴れた朝に現れることがあります。

雪像

雪像

2月に入ると、北海道の札幌市では、冬の一大イベント「雪まつり」が行われます。今年(2025年)は、2月4日から2月11日までの8日間にわたって開催されます。有名人やアニメのキャラクター、歴史的建造物などが、雪を固めることによって本物のように再現され、毎年、大勢の観光客でにぎわいます。たくさんの雪を必要とする雪像は、冬の厳しい寒さがあるからこそできる北国の芸術作品といえるでしょう。たくさんの雪からは、まるで粘土のように自由自在に形をつくり出すことができますが、いつも簡単に雪像が作られるわけではありません。雪祭り期間中に厳しい寒さが続いた年は、雪はさらさらでなかなか固まらず、雪像をつくるのに非常に苦労したそうです。逆に期間中に暖かな陽気が続いて、せっかく作った雪像がとけて崩れてしまう年もあったようです。寒すぎても暖かすぎても、雪像作りにはあまり適していないのです。

フィギュアスケートのジャンプ

フィギュアスケートのジャンプ

氷上を優雅に滑り、その美しさと完成度を競うスポーツといえば、ご存じ「フィギュアスケート」です。華麗なスピンやジャンプに魅了された方も多いことでしょう。フィギュアスケートの選手達はどうして高く跳ぶことができるのでしょう。それは氷の上を速い速度で滑っていることが関係しています。陸上競技のハイジャンプなど、上に跳びたい時は助走をつけますが、これはフィギュアスケートについても同じことが言えます。助走による横方向の力を縦方向の力に換えるのです。このように助走の力をもとにしてジャンプするため、助走のスピードを上げれば高く跳ぶことができるのです。ただし、どれだけ助走による横方向の力を無駄なく、縦方向の力に換えられるかが、ジャンプの高さに大きく影響してきます。ジャンプは単に筋力だけでなく、選手の技術の見せ所でもあるといえるでしょう。