これから雪が多くなると、山では雪崩が起こりやすくなります。
雪崩は「表層雪崩(ひょうそうなだれ)」と「全層雪崩(ぜんそうなだれ)」とに大別することができます。
表層雪崩は、古い積雪の上に新たに雪が積もった時に新雪部分が滑り落ちる現象で、新雪雪崩(しんせつなだれ)とも呼ばれます。大雪が降った後などは、この新雪雪崩に注意が必要です。
一方、全層雪崩は、積もった雪全体が一気に崩れ落ちる雪崩で、雪解け水が流れることなどによって、雪の層全体が滑り落ちる現象です。全層雪崩は、気温が高くなる春先に多く発生する雪崩です。
冬の間も、スキーや登山などで山へ出かける方も多いと思います。安全にウィンタースポーツを楽しむためにも雪崩の特徴を覚えておきましょう。
お天気豆知識(2025年12月26日(金))


雪崩はどんなときに発生するのでしょうか。
積雪を短時間に増加させてしまう激しい降雪や、強い風を伴う吹雪のときに雪崩が発生することが多いようです。さらに全層雪崩は、地面と積雪の間に水が流れ込むことで起こるので、雪解けが進む気温の高いときや雨の降ったときは要注意です。
このような気象的な原因以外でも、登山者やスキーヤー、スノーボーダーの重みで発生することもあります。ですから、危険な場所には近づかない事が重要です。
全層雪崩は発生前に積雪の表面にひびが入ったり、しわが寄るなどの前兆が現れますが、表層雪崩は前兆が現れず、予想するのが難しい雪崩です。そのため、表層雪崩が雪崩遭難のほとんどの原因です。
また、雪崩によってはそのスピードが速いという特徴があります。最大では新幹線並みの速さになるので、雪崩を見たら直ぐに離れるようにしましょう。
万が一、雪崩に巻き込まれてしまった場合、あわてずに行動しましょう。大量の雪の中から脱出するのは非常に困難ですが、呼吸だけはできるように口に入ってくる雪をかきだして、口を覆うなどして気道を確保し続けることで助かる可能性が高くなります。
雪山へ入るときは、雪崩への注意を決して怠ることなく、巻き込まれたときの対策まで想定して行動することが大事です。

