これからの季節、しばしば雷が発生することがあります。また、梅雨が明けて本格的な夏になると、強い日差しの影響で大気の状態が不安定になり、夕立とともに雷鳴が轟くことも多くなってきます。
送電線や鉄塔に雷が落ちると、一瞬、電圧が低下する現象が起こります。これは、送電線や鉄塔に落ちた雷の影響で故障が発生すると、長時間の停電を避けるために故障した線を瞬時に切り離すからです。
ただ、1秒もかからないうちに健全な送電経路で再び送電を開始するため、落雷によって長い時間送電が止まることはありません。雷が近くに落ちたとき、家庭や会社の照明などが一瞬消えたり、暗くなることがあるのはこのためです。
しかし、コンピューターにとってはこのような瞬間的な電圧低下でも影響は大きく、液晶や半導体などを作るハイテク工場では製造ラインが止まったりするため、損害が大きくなります。
雷による一瞬の電圧低下を防ぐ手だては今のところありません。そのため落雷が起きそうな場合には自家発電機や無停電電源装置で備えておく必要があるのです。
お天気豆知識(2026年05月24日(日))


落雷によって電圧が下がると、半導体工場やデータを扱うセンターなどでは製造ラインがとまったり、製品不良やデータの消失などの事故が発生することがあります。その損害は大きいため、半導体工場などではできるだけ落雷の影響を受けないような対策がとられています。
その一つに、自家発電を持つ工場では落雷が発生したときには電力会社からの電気を切り離して、自家発電に切り替えるという方法があります。ただ、自家発電は電力会社からの電気よりもコストがかかるため、切り替えるタイミングが重要となります。
また、落雷のおそれがあるときは、あらかじめ製造ラインをとめてしまうのも一つの手段です。これにより、生産性は落ちるものの損害は最小限におさえられます。
最近では、落雷による電圧低下の時に、それまでためておいた電気を流すことによって電圧が変化することを防ぐ装置も開発されています。
これからの雷が多くなる季節は、ハイテク工場にとって雷との戦いの季節でもあるのです。

