6月は、各地の川でアユ釣りが解禁になります。アユは魚へんに占うと書き、漢字が表す通りかつては占いに使われていた魚です。
アユは川底の石につくコケなどを口ではがして食べますが、そのコケ類がアユ独特の香りを作るもととなります。アユは香り豊かな魚として「香魚(こうぎょ)」とも呼ばれます。
アユは秋に卵からかえると海あるいは湖に入って冬を過ごします。春になると浅瀬に集まり、水量が多くなるとともに上流を目指して遡上(そじょう)します。そして秋に産卵したあと一生を終えます。
1年でその命を閉じることから「年魚(ねんぎょ)」と表現することもあります。春に遡上したアユは、川の中流あたりに達すると定住するようになります。
初夏になると、成長するのに必要な藻やコケ類を確保するために1メートル四方の縄張りを持つようになります。
アユは魚の中では珍しく、縄張りを持つ魚なのです。このアユ独特の性質を利用した釣りの方法があります。
お天気豆知識(2026年06月25日(木))


アユはなわばり意識の強い魚で、自分の縄張りに接近する他のアユを追い払う行動をとります。この性質を利用した世界にもまれな釣り方が「アユの友釣り」です。
友釣りは日本独特の釣り方で、アユの習性を知り尽くしていなければできない方法です。
アユは4月から5月にかけては「稚鮎(ちあゆ)」と呼ばれ、まだ川を上ってきたばかりで、縄張り意識はさほど高くありません。
アユ釣りの解禁は6月になってからですが、このころになると、他のアユに対する攻撃が盛んになり、友釣りが最盛期を迎えるようになります。
友釣りは、生きたアユをおとりに使い、おとりのアユを追い出そうとして突っかかってくるアユを釣りあげる方法です。おとりのアユと野アユが竿にかかり、その力が竿を伝わって釣り人の腕に伝わる瞬間が、アユ釣りの醍醐味といえます。
そして2匹のアユを取り込むのがこれまた難しく、網の中に入れるまでは気が抜けません。アユの友釣りは、遊び心を持った日本の文化そのものなのです。
なお、アユ釣りにはその地域ごとに決められたルールがありますので、資源を守るためにも、川へ行く際にはルールを守るよう心がけましょう。

