「春がすみ」という言葉があるように、春の景色は霞んで見えることが多いものです。
春の地面はそれを覆う草が少なく、その上雨が少なくて乾いているため、ちりが舞い上がりやすい状態になっています。また、中国から黄砂が飛んでくることもあり、春は見通しの悪いことが多いのです。
他にも春は放射冷却現象により地面付近の空気が冷えているため、霧やもやができやすくなります。このような春に見られるかすみは、「霧」、「もや」、「煙霧(えんむ)」など様々なものがあります。
「煙霧」というと、その言葉から煙と霧が混ざったものと思いがちですが、そうではありません。水滴とは異なる小さな乾いた粒子によって景色が白っぽく見えることをいうのです。
また、「もや」と「煙霧」が同じものかというと、これも違います。「もや」は空気中に水滴が浮かぶことで見通しが悪くなる現象なので、「煙霧」とは景色をかすませる粒子が異なるのです。
さらに、「霧」と「もや」の違いは見通せる距離なのかというと、これはその通りです。「霧」も「もや」も共にごく小さな水滴によって起こる現象で、その定義のただ一つの違いは見通せる距離だけなのです。
お天気豆知識(2026年04月18日(土))


視界を悪くする大気現象に「霧」、「もや」、「煙霧」などがあります。これらは天気予報などで用いられる際、きちんとした定義に基づいて使われています。
「霧」というのは、ごく小さな水滴が空気中に浮かぶために、視程(してい)とよばれる人の目の高さでの見通せる距離が1キロメートル未満になる現象のことです。見通せる距離が方向によって違う場合は、最も見通しの悪い方向で1キロメートル未満なら「霧」ということになります。
また「もや」は、水滴や水分を良く含んだ微粒子によって見通しが悪くなり、その距離が1キロメートル以上10キロメートル未満になる現象です。「もや」は「霧」ほど水滴が多くないため、肌に触れて冷たいと感じることはほとんどありません。
そして「煙霧」とは、乾燥したちりや砂、工場の煙や自動車の排気ガスなどの目に見えないほどの小さな粒子が浮遊して、見通せる距離が10キロメートル未満になる現象のことです。景色は主に乳白色になりますが、粒子によって光が散乱されるため、ライトや明るい物体は黄色味を帯びたり赤っぽく見え、暗いところは青色がかって見えることがあります。
また、色を持った粒子が浮遊するときには、景色もその色をおびることがあります。このように、景色がかすむといっても、その原因となる粒子と見通せる距離によって、呼び名が違っているのです。

