今、地球は様々な環境問題を抱えています。そして、そのひとつに酸性雨というものがあります。
酸性雨とは、ある一定以上の酸性を示す雨や雪などのことで、中国では「空中鬼(くうちゅうき)」、ヨーロッパでは「緑のペスト」ともよばれています。
早くからこれが問題視されていた欧米諸国では、酸性雨によるものと考えられる生態系への影響が報告されています。そして日本でも、欧米諸国同様、酸性雨が日常的に降っているのです。
一般に、雨水には空気中の二酸化炭素が溶け込んでいるため弱い酸性を示しますが、空気が汚染されている場合にはその汚れが雨水に溶け込んで強い酸性になることがあります。つまり酸性雨が発生するのは、人間の産業活動が引き起こした大気汚染が原因なのです。
その大気汚染物質の中でも工場から出る煙や自動車の排気ガスなどに含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物とよばれる物質が雨を強い酸性に変えています。
これらの排出ガスは上空へと立ち上り、ときには1000キロメートルも離れた場所にまで流されていくことがあります。そのため酸性雨の影響はたいへん広範囲に及ぶもので、これを防ぐには国境を越えた協力が必要になります。
お天気豆知識(2026年03月24日(火))


強い酸性を示す酸性雨は、生態系などへ悪影響を与えるといわれています。特に欧米では、酸性雨の影響と思われる被害が多く報告されています。
その一つは、酸性雨が土壌を酸性化させることによる森林への影響です。土壌が酸性化すると土中の栄養分が減る一方で、溶けだした有毒なアルミニウムが植物の根に悪影響を与えます。
また湖や沼も、雨や土壌からしみ出る酸性の水などによって酸性化すると、そこにすむ魚などの生物が死滅するおそれがあります。
特にヨーロッパでは、春先、酸性の雪が一気にとけるために湖が酸性化した例が報告されています。春は多くの魚が卵からかえる時期でもあり、湖の酸性化は生態系に深刻な影響を与えます。
さらに、建造物への影響もあります。建造物の中でも、歴史的建造物への被害は甚大です。酸性雨は大理石などの石材でできたものをとかしたり、鉄製の文化財をもろくしたり銅像の色を変色させたりと、さまざまな形で影響を与えます。
また歴史的建造物に限らず、私たちの身近なところにあるコンクリートの建造物も酸性雨によって劣化していて、そこからとけ出た「コンクリートつらら」とよばれる石灰質のつららを見かけた方もいることでしょう。
私たちの排出した大気汚染物質が身近な所にも影響を与えているのですね。

