花こう岩は通称「御影石(みかげいし)」と呼ばれている岩石です。もともと、御影石とは神戸市の御影あたりの花こう岩の石材名でしたが、現在では花こう岩の総称として使われています。
花こう岩は粒子の粗さや色などが様々な表情を持っています。できた時代は色々ですが、中国地方に広く分布していて硬く、磨くと美しいため石材として建物の壁や墓石、敷石、石垣などに古くから使われています。
硬い岩石でも、自然界では色々な作用によって、大きな塊がだんだんと小さく割れて砂や泥になっていきます。この現象を風化と言います。
風化の原因としては、物理的に力が加わる、一日の気温の差によってひずみが生じる、化学反応によって成分が溶解する、木の根が入ることによって割れるなどがあります。
花こう岩は鉱物の粒子が大きく、風化の影響を受けやすいため、白っぽくてざらざらとした砂状になったものがよく見られます。これが「まさ土」と呼ばれるものになります。
お天気豆知識(2026年07月13日(月))


「まさ土」は、水を含むと強度が極端に低下します。花こう岩自体は硬くても、まさ土化が進んだ地盤は雨にもろく、大雨によるがけ崩れや土石流などの土砂災害が発生しやすくなります。
1999(平成11)年6月29日には広島県広島市や呉市などで多くの犠牲者を伴う土砂災害が発生しました。そして2014(平成26)年8月20日の豪雨による土砂災害では広島市の阿佐南区、阿佐北区で多くの犠牲者が出ました。これは急な地形に加えて、「まさ土」が広く分布していることにも起因しています。
また、六甲の山々は、はじめは花こう岩類でできていましたが、六甲変動によって花こう岩は破壊されてもろくなり、風化によりまさ土化して、砂山のようになりました。
阪神大震災では埋め立て地を中心に広い範囲で液状化が発生しましたが、このときに液状化したのが「まさ土」を含む地層だったことも分かっています。
硬い地盤が長い年月のうちにもろくなり、知らぬ間に災害の危険が高まることもあるのです。台風シーズンに備えて、住まいを取り巻く環境を今一度確かめてみてはいかがでしょうか。

