夏の空といえば、青い空に湧き立つ入道雲(にゅうどうぐも)を思い浮かべる方も多いことでしょう。入道雲は正式には雄大積雲や積乱雲に分類される雲のことです。
雄大積雲とは規模の大きな「わた雲」のことで、積乱雲とは雄大積雲がさらに上へむくむくと盛り上がったものをいいます。
「入道雲」という名前は、雲の頭部の丸みがちょうど坊主頭のように見え、僧りょの姿に似ていることから付けられました。もし、入道雲が2つ並んだところをみかけることがあれば、それはまさに僧りょが向かい合って禅問答(ぜんもんどう)をしているかのように見えることでしょう。
入道雲は地面付近の空気が強い日差しによって暖められ、上昇することで発生します。そのため、夏の昼過ぎから夕方によく見かける雲なのです。
そして、この雲の見かけの迫力からもわかるとおり、降らせる雨は激しく、時には雷鳴をとどろかせます。離れた場所から眺めるうちは夏の風物詩として歓迎できるものの、いざ、近づいてくると空はとたんに暗くなり天気は急変するのです。
お天気豆知識(2026年07月21日(火))


入道雲はその大きさや力強さから、人々の尊敬や親しみを受けてきました。日本各地で様々な名前が付けられていることからもそのことがわかります。
関東地方には、入道雲にその土地を流れる利根川と同じ「坂東太郎(ばんどうたろう)」という呼び名があります。利根川の上流で発生した入道雲が川に沿って下りてくることが多いことからこの名前が付いたそうです。
ほかにも滋賀県や福井県の東部では「信濃太郎(しなのたろう)」、京都や大阪では「丹波太郎(たんばたろう)」、山陰地方の一部では「石見太郎(いわみたろう)」、九州地方の一部では「比古太郎(ひこたろう)」など地名や川にちなんだ名前が付けられています。
また、その形を別のものにたとえて岩雲(いわぐも)、ラッパ雲、イタチ雲、舞茸雲(まいたけぐも)、仁王雲(におうぐも)、さらにはカブトガニを意味する「うんきゅう」という言葉からうんきゅう雲という変わった名前で呼ぶところもあります。
決まった形のない雲も見た人やそのときの形によって、いろんなものにたとえられていることがわかりますね。

