雪国の冬の生活には、雪の少ない地方にはない様々な不便があります。雪おろしの際には屋根から転落するなどの事故が起きることもあるので、雪国では雪おろしをする回数を減らすために、屋根の形に工夫をしています。
北海道で多い屋根に「無落雪屋根」があり、これは屋根の中央に横樋(よこどい)や縦樋(たてどい)を持つM型の屋根です。
この屋根の場合、斜面が屋根の中央に向かっているため、雪が落ちにくく、積もった雪を屋根の上でとかして雪を処理しているのです。このため軒下に積もった雪の処理に煩わされることはありません。
こうした利点から最近では、高齢者の多い住宅では家の建て替えの時に無落雪屋根が採用されることが多くなっています。
ただ無落雪屋根の場合は、あまりに屋根の上に雪が積もると、屋根がその重みに耐えられなくなることがあり、軽い雪の降る地域に適しています。
気温が著しく低い地域では、水分を含まない軽い雪が多く、こうした地域では屋根に雪が積もっても、さらさらした雪は風に飛ばされて積雪がそれほど深くなることがないので、湿った雪ほどの重さに耐える必要はないのです。
お天気豆知識(2026年01月31日(土))


雪国ならではの屋根には、無落雪屋根のほかにもう一つ、「落雪屋根」があります。重い雪の降る地域でよく見かけます。
落雪屋根は屋根の中央から軒(のき)へ急な傾斜がつけられています。このため屋根の上に積もった雪は、雪自身の重みによって軒下へ落ちるようになっているのです。
落雪屋根の仕組みは昔からある屋根の伝統を引き継いでいます。豪雪地帯特有の伝統的な家の造りとして、合掌造り(がっしょうづくり)があります。
合掌造りは白川郷(しらかわごう)などに見られる大きな三角屋根が個性的な民家です。約60度の急な傾斜の三角形の屋根が合掌しているように見えるため、こう呼ばれます。
こうした伝統を受け継いだ落雪屋根は、できるだけ屋根の形を単純にし、急な傾きをもたせ、また屋根の材料を雪が滑りやすい素材にするなどして、屋根から直接落とすようにできています。このため、屋根の上に雪があまり積もらないので、湿った重い雪が降る豪雪地帯に適した屋根の形なのです。

