サンゴの白化現象
皆さんはサンゴ礁を見たことがありますか。サンゴ礁は暖かくてきれいな海の中に見られ、熱帯魚やイソギンチャクなどと同様、その鮮やかな色は南国の海には欠かせないものになっています。ところが近年、沖縄などでサンゴ礁の一部がその色を失い白くなってしまう、白化現象が起きているのです。サンゴ礁を形作っているのはサンゴなどの生物で、サンゴは枝分かれした石灰質の骨格を持つ動物です。その体内には褐虫藻(かっちゅうそう)とよばれる植物が共生しており、褐虫藻が光合成を行うことでサンゴにエネルギーを与えているといわれています。ところが、海の環境が変化するとサンゴから褐虫藻がいなくなってしまいます。そのため、色を失ったサンゴは白い骨格をあらわにする、これが白化現象なのです。褐虫藻がいなくなる原因として、地球温暖化による海水温の上昇や強い日射などがあげられますが、大きな影響を与えている原因の一つに、陸地の大規模なリゾート開発による海中への土壌の流出があげられます。白化現象を引き起こす原因は様々ですが、サンゴが住んでいる海の環境が変わったことに違いはないのです。