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時雨のしくみ

時雨のしくみ

晩秋から初冬にかけて一日の内に降ったりやんだりする雨のことを「時雨」といいます。ちょうど今頃の時期に、日本海側の地域でしぐれることがあり、昔は陰暦10月のことを「時雨月」ともいいました。11月に入ると西高東低の冬型の気圧配置になる日が多くなり、大陸から日本列島へ向けて冷たい季節風が吹くようになります。冷たい季節風はもともと乾いた大陸から吹く風なので比較的乾燥していますが、日本海の上を渡ってくるときに、湿った風に変わります。日本海が海面付近の空気に比べて暖かいため、水蒸気がたくさん供給されるからで、そのとき上昇気流も発生します。冬の日本海の上昇気流は、一定の間隔をもって発生するため、この上昇気流によってできる雲も一定の間隔で行列をつくります。これらの雲が地上を通過するときに雨を降らし、通り過ぎると雨は止み、時には日が差し込むこともあります。雨が降ったり止んだりする時雨のしくみは、日本海の雲の行列のためなのです。

駅伝

駅伝

気温の低い冬は、マラソンなど長距離を走るのに適したシーズンです。長距離競技のひとつ「駅伝」は、日本で生まれたリレー方式の長距離レースで、コースをいくつかの区間に分けて、各区間ごとに割り当てられた走者が次の走者に順次たすきを渡し、チーム全体でゴールを目指します。駅伝は陸上競技の中では珍しい団体競技で、一人で走るマラソンとは違い、一人の走者がどんなに良い走りをしても、誰かがリタイヤするなど、たすきが途中で途切れてしまってはその時点で勝負が決まってしまいます。逆に、万全の走りができなかった走者がいたとしても、ほかの走者が遅れを取り戻すこともできるのです。このようなところが駅伝競技のおもしろさともいえるでしょう。また、区間ごとにもタイムが計られるため、区間第一位を目指す個人の戦いも駅伝の魅力の一つです。一人はみんなのために、みんなは一人のためにと、個々の力を発揮しながらチーム全体で勝利を目指す姿に、ドラマを感じる人も多いのではないでしょうか。

忍者雲・1

忍者雲・1

山ではそろそろ本格的な冬に入り、天気図上では、西高東低の冬型の気圧配置になることも多くなりました。冬型の気圧配置になると、日本海側ではどんよりとした雲に覆われ雪や雨が降り、一方、太平洋側は晴れて空気が乾燥して北西の冷たい風が吹きます。ただ、冬型の気圧配置のときでも、関東南部だけ雲が広がって弱い雨が降ることがあります。これは忍者雲(にんじゃぐも)のしわざです。忍者雲という雲は、忍者の形をした雲ではなく、その振る舞いが忍者を思わせる雲のことです。正式な雲の分類では層積雲と呼ばれ、浮かんでいる高さはおよそ2000メートル前後です。秋から春にかけて現れる雨雲で、日中は関東地方の南海上に居座っていますが、夜間、こっそりと忍び込むように沿岸の陸地に広がってきます。千葉県に現れると予想されていても、実際は神奈川県に現れると言った具合に、予測が難しい雲です。この神出鬼没な様子が忍者を連想させるため、忍者雲と呼ばれているのです。