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七草

七草

春と秋には七草があります。春の七草は、「せりなずな御形(ごぎょう)はこべら仏の座すずなすずしろこれぞ七草」と歌に詠まれています。春の七草は、1月7日におかゆに七草を入れて食べる風習があります。この七草は様々な薬効があるとされているため、無病息災を願って食べられています。一方の秋の七草は、山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ、「萩(はぎ)の花尾花(おばな)葛花(くずはな)撫子(なでしこ)の花女郎花(おみなえし)また藤袴(ふじばかま)朝顔の花」という歌からきています。ちなみに、ここでいうハギはヤマハギ、オバナはススキ、アサガオはキキョウのことを指しています。この秋の七草は食用ではないため、現代の私達のくらしには、春の七草ほどなじみがないのかもしれません。また、この七草は見て楽しむものとはいえ、外見にも人目を引きつけるような派手さはありません。しかし、万葉集にみられる素朴さに通じるような魅力があります。秋の七草はどれも、目立たずひっそりと慎ましやかに生きています。キクや、ヒガンバナのような鮮やかな花が秋に華やかさを添える一方、この小さくて可愛らしい花をつけるハギなどの七草だからこそ感じられる秋の風情もあるのではないでしょうか。植物が春に芽吹くまでの長い眠りに入る季節には、ぱっと咲く明るさより、けなげに咲く美しさに心を寄せたのかもしれません。

9月の台風による耕地の被害面積

9月の台風による耕地の被害面積

9月は大型台風が襲来しやすい時期です。この時期の台風は収穫前の農作物に多大な被害を与えます。実際に、9月に上陸した台風による耕地の被害面積を見てみると、1954年の洞爺丸(とうやまる)台風と1958年の狩野川(かのがわ)台風、それに1961年に上陸した第2室戸台風の時には8万ヘクタール以上となりました。また、1945年の枕崎(まくらざき)台風は約13万ヘクタールが流失や冠水などの被害にあいました。1959年の伊勢湾台風にいたっては、21万ヘクタール以上と、東京都と同じくらいの面積が被害にあったのです。このように、9月の大型台風は田畑などに大きな傷跡を残します。「一吹き百万石」という言葉がありますが、これは、台風が一回通り過ぎると百万石(約15万トン)の稲を失ってしまうことを表現したものです。百万石とは、約200万の人々が一年間に食べる米の量に匹敵します。台風が一度やってくるだけで、人々のその後の生活を左右するほど、台風は恐ろしいものだったのです。そのため、収穫前の稲や農作物を台風から守るため、人々は様々な努力をしてきました。最近では、田植えの時期を早めて収穫時期をずらすことによって、被害を最小限に抑えることに成功しています。また、品種改良や栽培管理などの工夫のほか、より精度の高くなった台風の予報技術を利用することにより、昔ほどの被害がでることは少なくなっています。

重陽(ちょうよう)の節句

重陽(ちょうよう)の節句

9月9日は重陽(ちょうよう)の節句です。重陽の節句は、江戸時代に定められた「五節句」の一つです。五節句には、新年に七草がゆを食べて一年の無事を祈る人日(じんじつ)の節句(1月7日)、ひなまつりの上巳(じょうし)の節句(3月3日)、端午の節句(5月5日)や七夕の節句(7月7日)があり、その最後を締めくくるのが重陽の節句です。春の上巳の節句は桃の節句、初夏の端午の節句は菖蒲(しょうぶ)の節句と呼ばれるように重陽の節句では、秋の花である菊が用いられ「菊の節句」と言われます。重陽の節句では、邪気を払い長寿と一家の繁栄を祈って菊の花を浮かべた酒を飲んだり、「菊の被綿(きせわた)」といって、露よけのために菊に綿をかぶせ、その綿に降りた露で体をふくならわしがあります。重陽の節句は、現在では菊の品評会が行われる程度で他の節句に比べてなじみの薄いものですが、平安時代から明治時代までは庶民の間でこのように様々な行事が行われていました。せっかくですからたまにはお酒に菊を浮かべ、この節句を祝ってみてはいかがでしょうか。