マリモ
今から70年以上前の1952年3月29日は、阿寒湖のマリモが特別天然記念物に指定された日です。マリモは緑藻類(りょくそうるい)シオグサ科に分類される淡水にすむ藻です。これは大きなひとつの藻に見えますが、実はたくさんの小さな糸状の藻が絡まり合ってできたものなのです。マリモのきれいな球形は、湖の中を伝わる水の振動が藻を絡ませたり、絡んだ藻が外側に向かって伸びていくことでつくられるといわれています。マリモは藻が絡みつくことと、絡んだ藻のそれぞれが生長することで大きくなっていきますが、それはとてもゆっくりしたもので、直径6センチメートルくらいの大きさになるのでさえ、150年から200年ほどもかかるといわれています。中には直径30センチメートルに達するものもあり、そのくらいの大きさになると、まもなく自分の重さに耐えきれなくなって崩れ、分裂します。ただ分裂してもそれぞれがまた小さな藻の塊として、新しいマリモに生長していきます。マリモは生長と分裂を繰り返しながら、長い年月をかけて増えていくのですね。